2022年私的名盤 ―ロック編

 

2022年私的名盤

前回に引き続き、今年良かったアルバムをジャンルごと(ジャズ・フュージョン、ロック、J-POP、声優・アニソン)に取り上げます。各ジャンル10枚まで、順不同です。
今回はロック編です。

・13 / BBHF

Galileo Galileiの活動終了後に結成されたバンドの新譜。GGのラストアルバムへのアンサーアルバムのようなもの。彼らは当初は遊びの延長でしかなかったGGをオモチャの車に例えて、それが周りの環境に追いつけなくなったためにその車を一度置いていくことにする。ラストアルバムの『Sea and The Darkness』では孤独や死に直面した状況を描いた。そしてあれから6年経って、オモチャにとらわれていた頃の彼らではなく、自分たちの足で生に向き合った。過去も今も肯定するそんなアルバム。バックファイアはその象徴。GG復活おめでとう。


・QUILT / Rei

Reiと関わりあるミュージシャンとのコラボレーション・プロジェクト。CHAIや長岡亮介、細野晴臣、渡辺香津美、さらにはCory Wongまで錚々たるメンバーとの共演。それぞれの楽曲でそれぞれのミュージシャンの音楽とReiの音楽が融合していて圧巻のアルバムになっている。いろんなジャンル、音楽観、人間性が詰まって、縫い合わせられて一つになるまさにQUILTと言うにふさわしい一枚。

・The Fearless Flyers Ⅲ / The Fearless Flyers

Vulfpeckのサイドプロジェクトとして、そのリーダーであるJack Strattonが指揮を取りミニマルファンクをコンセプトに始まったバンド。ミニマルファンクとは、グルーヴを重視し、文字通り限りなく音やトラック数、長さなどをシンプルな構成にしたファンクのこと。またギターとベースの間の音域を持つバリトンギターを使用しているのも特徴的。なのだが、このアルバムではバリトンギターを入れなかったり、ブルース的な進行を入れたり、Steely Danのカバーをしたいと、これまでとは異なる手法でありながら彼らの音楽を鳴らしている。かなり実験的で面白く、これからどんなファンクの形を見せるのかも気になるバンド。


・Anniversary / SPECIAL OTHERS

スペアザ15周年で8作品目となるオリジナルアルバム。ジャムバンドらしく軽快なグルーヴで色んなジャンルの音楽が入り混じった曲たちで構成される。アニバーサリーを祝福するポップで人間味も溢れる明るい内容。相変わらず上手い。ラストナンバーの「Session 317」は13分13秒の一発撮り即興セッションにもかかわらず、進行も決まってなければテンポも変わる。インストだからこそ聴き入ってしまう。


・Dreams / エレファントジム

台湾発スリーピースバンド。気持ちのいいメロディでありながら変拍子を多様したり、インストでもボーカルありでも重厚なサウンドをつくる。スリーピースとは思えないようなテクニックもさることながら、曲の構成からトラックのエフェクトまでかなり凝っている印象を受ける。


・UlulU / UlulU

今日日メインストリームでは聴かなくなってしまったガレージバンド。荒々しいサウンドにミドルテンポな楽曲はどこか懐かしさを覚えるがポップさもあり古臭くはない。ただこういうバンドは得てして時が経つに連れ、というか売れるとポップスがメインになってつまらないバンドになってしまうので、そこが心配。


・Chilli Beans. / Chilli Beans.

スリーピースガールズバンド。ジャンルは何だろうと思ったけど、Spotifyにはネオガレージとあった。でも意外とファンク感もあってサウンドが好みなのが多かった。歌詞はあんまりなので今後も聴くかは今のところ微妙。


・第三呼吸速度 / 帰りの会

Spotifyで知った5人組ギターロックバンド。最初のジャッキジャキのテレキャスサウンドが好きで聴いたら、女性ボーカルも透き通っていて心地よかった。正体は不明らしい。久しぶりにこういうロキノン系を聴いた。


・Fingerpost / yard rat

5人組ロックバンド。これも懐かしさのあるオルタナ系、エモインディー系。昔好きだった感じもあって良いなってなった。こういうのにありがちな一辺倒な感じはメンバー全員がソングライターという驚異の構成のおかげかない。


・Lighthouse / ayutthaya

Spotifyに教えてもらったオルタナバンド。重厚感と透明感を音作りとボーカルから同時に出している。一曲目のリフが好き。こうやってオルタナ系の邦楽を聴いてたら一時期Spotifyのリコメンドがこれ系ばかりになった。


・Ribbon Around The Bomb / Blossoms

イギリスの5ピースインディポップバンド。シンプルで聴き心地のいいポップスながら色んな音が入っていたりしていて楽しい。まだ他のアルバムを聴いてないのでこれから知っていきたいし、こういうバンドをもっと知りたい。



ロック編では、BBHFをはじめ、昔の自分が好きだったような音楽に近いものを多く聴いていて、懐かしい気持ちになった。Galileo Galileiの復活は本当に嬉しいし楽しみ。

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