2022年私的名盤 ―声優・アニソン編
2022年私的名盤
前回に引き続き、今年良かったアルバムをジャンルごと(ジャズ・フュージョン、ロック、J-POP、声優・アニソン)に取り上げます。各ジャンル10枚まで、順不同です。今回は声優・アニソン編です。
・glow / 水瀬いのり
昔から歌が上手かったが、今回のアルバムでは歌い方にバリエーションが出て違った表現ができているのではないだろうか。以前は力強さが存分に出ていたが、よりナチュラルで優しさ、身近さが感じられるアルバムとなっている。ジャケットも生活感があるし、曲中の誰かというよりも水瀬いのり本人であることが伝わる印象だった。これまでで一番好きなアルバム。
・Tenk you / 髙橋ミナミ
声優活動10周年を記念して制作されたミニアルバム。もともとアーティストデビューの話が昔あったが、当時のキャパシティ的に断っていたらしいが、当時のプロデューサーがもう一度依頼して実現したという。彼女のファルセットと地声に近い脱力した感じの声が儚くて、でも優しさに溢れていてとても好きなので、「10 feet」や「esquisse」がお気に入り。でも元気な声もかわいくて良い。
・blossom / 花澤香菜
ポニキャン移籍後初のアルバム。テーマは再出発。移籍したと言っても作詞作曲陣は北側勝利をはじめ見慣れた人も多いが、収録曲は明るいポップやダンスミュージック、ジャジーなものなど、割りとバラバラ。それでも「Moonlight Magic」のようなこれまでのイメージに沿った曲から「息吹 イン ザ ウィンド」や「草原と宇宙」のように今までにないものまであり、このアルバムから入ってもどういうアーティストかわかる、現在地を示したようなアルバムになっている。個人的に「息吹 イン ザ ウィンド」は小出祐介(Base Ball Bear)節が出まくっていてとても気に入っている。
・Atrium / 上田麗奈
四季シリーズ最後となる”秋”をコンセプトにしたアルバム。テーマは肯定。これまでの作品もそうだが、相変わらず感情の起伏を表現するのが上手。通しでレコーディングしているおかげで生々しさもダイレクトに伝わってくる。”夏”がコンセプトの前作『Nebula』は前半の絶望感がその生々しさと合わさり暗すぎて苦手だったが、今回の肯定というテーマとは綺麗にリンクしている。嫌な自分も肯定しているのが良いよね。これでひとまずアルバムシリーズに区切りがついたが、今後どうするのだろう。
・ときめきランデヴー・宵加減テトラゴン / shami momo・コーロまちカド
シングルは抜きといったが、まちカドまぞく2期のOP・EDのこれだけは外せなかった。原作が大好きなので。1期に続き同じ制作陣。「宵加減テトラゴン」の「四方まで囲むテトラゴン ああまちカドに花束」という歌詞が好き過ぎる。ちなみに原作者の伊藤いづも先生は1期の時に、詞の方向性やキーワードを求められただけなのに、歌詞を丸ごと提出したらしい。
・Apiacere / 麻倉もも
「満開スケジュール」編曲が星銀乃丈ということで聴いたアルバム。可愛らしい声にぴったりなキラキラポップ。でも曲調は純粋なポップからジャズ、エレクトロ、バラードなど多様で楽しいアルバムになっている。ただどれも少女漫画の女の子という感じで、麻倉ももとはどういう人なのかとか何を伝えたいのかとかはわからなかった。他作品への興味は今のところあんまりない。
・邂逅少女 / 三月のパンタシア
神聖かまってちゃんのの子やストレイテナーのホリエアツシ、フジファブリックの山内総一郎など豪華な制作陣。ボカロっぽいメロディをギターとキーボードをメインに奏でポップに歌っていて、キラキラした青春とマッチしている。ボーカルとギターの音が好き。「閃光」はもはやフジファブリックの曲。
・Kind of Harmony / swing, sing
『swing, sing』という「Cafe × 音楽 × 青春 漫画・イラストと安らぎの音楽、歌声で紡がれる新感覚キャラクターロジェクト」(公式サイトより)のミニアルバム(ストリーミングは曲単体で配信されている)。田所あずさや大橋彩香など歌の上手い声優を起用して、ジャズとアニソンのクロスオーバーをやっている。ストーリーは一切知らないが面白いことやってるなあと気になっている。「Sweet Butter」と「廻り」が好き。
今年はあまり豊作ではなかった気がする。
でもやはり声優・アニソンはジャンルにとらわれることがあまりないので聴いてて楽しいのが多い。
自己名義の声優は自分のやりたいことが明確になっていると、楽しみ方が増えてより好きななる。
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