2022年私的名盤 ―ジャズ・フュージョン編

2022年私的名盤

あまりニューリリースの作品を聴いてないと思っていたが、Spotifyを振り返ったら意外とあったのでジャンル別に今年良かったアルバムを。
個人的に曲単体で聴くことがほとんどないので、シングルは抜きでアルバムをジャンルごと(ジャズ・フュージョン、ロック、J-POP、声優・アニソン)に取り上げます。各ジャンル10枚まで、順不同です。
今回はジャズ・フュージョン編。

・John Scofield / John Scofield (05/06)

全編ギターのみのソロアルバム。一曲目のCoral(Keith Jarrettのカバー)からアルバムの世界観に引き込まれる。ジャズだけでなくカントリーやロックンロールもあり、これまでのジョンスコらしくピッキングの強弱によるニュアンスがとても気持ちいい。スピーカーで大音量で聴くと最高。


・Common Ground / Robben Ford & Bill Evans (09/30)

Robben FordとBill Evans(サックス奏者)のコラボアルバム(2019年の『The Sun Room』以来2作目)。ベースにはThe Rolling Stonesでサポートを続けるDarryl Jonesも参加。ファンクから始まり、バラードやジャズ、ブルースなど多様なアルバムに。表題曲の"Common Ground"は歌ありのモダンジャズで参加者皆がサイドマンを務めることもあるため歌唱の引き立てが上手い。ただもう少しトラディショナルな感じのほうが個人的には好き。

・Be-Bop! / Pasquale Grasso (07/04)

かのPat Methenyに今までで最高のジャズギタリストと言わしめた、イタリア出身若干34歳の超絶技巧ジャズアルバム。一曲目の"A Night in Tunisia"から何本もギターが鳴っているかのような演奏。それでいて聴きやすいからすごい。Joe Passのような完成度。

・Linger Awhile / Samara Joy (09/16)

弱冠23歳のアメリカ人ジャズシンガー。今挙げたPasquale Grassoとも今回のアルバム含め共演が多い。年齢であれこれ言うべきではないが、貫禄がありすぎる歌唱っぷり。強弱や抑揚、感情の込め方、どれをとってもベテランの域にいる。とても心地よい。

・Let Sound Tell All / Julius Rodriguez (06/10)

24歳のアメリカ人ピアニスト、ドラマー、コンポーザー。ジャズやR&B、ヒップホップ、ポップスなどの要素を散りばめたアルバム。彼の多彩さが存分に味わえる。ちなみに10曲目にはSamara Joyが参加している。

・Get My Mojo Back / 海野雅威 (03/22)

ニューヨークで活動するジャズピアニスト。2020年に人種を理由に暴行を受け重症を負い、ステージ復帰が危ぶまれるも半年に及ぶ治療の末の復帰作となったのがこちら。ファンキーさや跳ねるようなリズムからは力強さを、それでいて繊細なピアノのタッチは温かみも感じる。何よりタイトルが良い。


・Crossing Reality / 秩父英里 (09/07)

あのバークリー音楽大学を主席で卒業したらしい。J-Jazzシーンでは注目度の高いピアニストによる初のリーダーアルバム。現実と空想の間、意識と無意識の間、といった曖昧な境界を意識しているそう。既存のジャズにはとらわれない作品で、コンセプトアルバムのような感覚で世界観を楽しめる。


・Brightness of the Lives / 曽根麻央 (02/09)

彼も2016年にバークリー音楽大学のマスターを主席で卒業したらしい。ピアノとトランペットの二刀流。アルバム名や曲名から分かるように生を描いた作品で、ポップで明るく軽快なバンドとのアンサンブルが心地よい。


・Trip / パジャマで海なんかいかない

バックグラウンドは知らないが、Spotifyで見つけたアーティスト。ジャズやネオソウルのクロスオーバーという感じのアルバム。曲ごとに知らない世界へ旅にいっているような気にさせてくれる。バンド名はなぜこれなんだろうか。


・What is "LAGHEADS"? / LAHEADS (01/19)

日本にこんなに気持ちの良いグルーヴ感のあるフュージョンバンドがいたんだと思わされたアルバム。決して懐古的になることなく現代的なポップス要素も混じっており、わずか7曲26分だが気持ちのいいアンサンブルを存分に楽しめる満足度の高い一枚。


ジャズを聴くとなると古い名盤ばかり聴いてしまいがちだったが、今でも素晴らしい作品が生まれているし進化していることが身に沁みて分かった年になった。
ここに挙げたのも若手が多いのでこれからにも期待したい。

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